近年、保険業界では「収入保障保険」という種類の商品開発で激しい競争が繰り広げられています。
この保険が、非常に合理的でおすすめできる内容になっていますので、この記事ではその仕組みから具体的なおすすめ商品までを説明していきます。
さて、そもそもこのブログでは、人生で必要な保険は4つだけだとお伝えしてきました。
①死亡保険、②自動車・自転車保険、③火災・地震保険、④個人賠償責任保険
突然ですが、「学資保険 必要」「がん保険 必要」「医療保険 必要」などのキーワードで検索していませんか?そこに出てくる検索結果は、大半が保険会社の記事です。つまり、保険を売る側の記事ですので、当然「必要である」というトーンで書かれて[…]
死亡保険とは、その名の通り「被保険者の死亡時に保険金が給付される保険」のことです。
収入保障保険は、この死亡保険の一種。
被保険者が死亡または高度障害状態になったときに、遺族が年金方式で(=毎月一定額で)保険金を受け取れる保険です。
この保険が優れているポイントを以下で解説していきます。
毎度のことながら、記事の対象者は日系大手のサラリーマンを想定しています。
- 収入保障保険は、①保険料の安さ、②見直しのしやすさ、③遺族の安心 の3点で優れている
- おすすめはFWD収入保障保険
収入保障保険をおすすめする3つの理由
さて、掛け捨て型の死亡保険には、大きく分けて2種類の保険があります。
- 定期死亡保険 | 遺族が一括で保険金を受け取れる。保険金は常に一定額。
- 収入保障保険 | 遺族が年金方式で保険金を受け取れる。保険金の総額は年齢を重ねるごとに減少する。
※詳しくは以下の記事に書いていますが、そもそも貯蓄型保険を選ぶ価値はありませんので、この記事では掛け捨て型のものだけにフォーカスします。
突然ですが、この世の中には「情報弱者から過大な利益を取るビジネス」というのが横行しています。情報商材など、明らかにそれと分かるものもあれば、巧妙に隠されたものもあります。貯蓄型保険は、まさに「巧妙に隠された情弱向け商品」の典型です。[…]
死亡保険としては、定期死亡保険ではなく収入保障保険を選択するのが合理的です。
以下ではその3つの理由について見ていきましょう。
1.保険料が安い
収入保障保険は非常に合理的な設計になっています。
以下の図をご覧ください。
定期死亡保険ではいつ時点で死亡しても一定額の保障が受けられます。
一方で、収入保障保険では毎月一定額が給付されます。
つまり、死亡時点での残りの保障期間が長ければ給付総額は多くなりますし、短ければ総額は少なくなります。
さて、そもそも論ですが、保険とは「万が一の不幸が起こった際の経済的な備えをしておくもの」です。
つまり、保険で受け取る金額は、遺族が生活に必要な金額で十分だということ。
以下で遺族に必要な金額のイメージを見てみましょう。
図を見てわかる通り、当然ですが年齢を重ねるごとに、「残りの人生で必要な金額合計」は減少していきます。
月額30万円の生活費の家庭であれば、残り30年の人生では約1億円必要ですが、残り15年では約5,000万円、残り5年では1,800万円が必要、といった具合です。
さて、各保険の「保障額」と「遺族の必要額」の図を重ねてみると、収入保障保険の合理性がよく分かります。
図の通り、いつ時点でも一定額の保障となっている定期死亡保険では、高齢時の保障が過度になっています。
過度な保障を提供しているお金の出どころは、当然我々が支払う保険料ですので、必然的に保険料が割高になってしまいます。
例えば33歳時点の保険料を同額とした場合、定期死亡保険の方が約1.5倍高いイメージです。
2.保険料の見直しがしやすい
人生には、保険料の見直しをするタイミングが5回訪れます。
- 結婚したとき
- 子どもが生まれたとき
- 家を購入したとき
- 企業年金の受給資格を得たとき
- 子どもが独り立ちしたとき
このうち、③~⑤は「保険料を下げるタイミング」ですが、保険会社はそれを阻止すべく色んな手を打っています。
- 「若いうちに入った方が保険料が安い」という保険料の仕組み
- 他の商品との単純比較ができない複雑な商品設計
- 「今まで払っていた保険料が無駄になる」というコンコルド効果を狙った営業トーク
保険会社がこういった「小細工」を仕込みやすいのは、保険会社の利益率が高く、複雑で分かりにくい商品です。
収入保障保険は、とにかく合理的・シンプル・格安の商品ですので、保険会社のリテンション戦略からも相対的に逃れやすくなります。
3.遺族の精神的負担が軽減される
個人的には、これが一番大きいと思っています。
定期死亡保険では、死亡時に例えば4,000万円などの大金が手に入りますが、これは考え物です。
少し想像してみてほしいのですが、急に4,000万円もの大金が入ってしまうと、庶民たる我々はどうなるでしょうか。
- 金銭感覚が狂う。
- 口座の残高が徐々に減っていくことにストレスを覚える。
「サラリーマンの配偶者」である遺族は、大金を管理することに慣れていません。
必ずどこかに歪みが生じます。
例えば、知らず知らず生活水準が上がってしまい、人生の後半に資金が枯渇することなどは容易に想像できます。
また、最初は4,000万円もあった口座残高が、気づけば3,000万円になり、2,000万円になり、1,000万円へと減っていく。
これは大変なストレスです。
人間はどうしてもアンカリングしてしまう生き物です。
配偶者は、残りの人生において「死亡直後は口座に4,000万円あったのに(=アンカリング)、いまは〇万円しかない」という無意識の比較してしまうことでしょう。
この「アンカリングによるストレス」を、収入保障保険はうまく軽減してくれます。
「来月になると10万円貰える」というプラスのアンカーが常に存在することで、心理的な負荷を大きく下げてくれます。
収入保障保険のデメリットは
さて、これまで収入保障保険のメリットを述べてきましたが、デメリットはあるのでしょうか。
残念ながら(?)、特に思い当たりません。
ここでは、保険会社や他のブロガーの記事に書いてあるデメリットに対する反論だけ書いておきます。
1.保険料が返ってこない
収入保障保険は掛け捨て型なので、保険料は当然返ってきません。
さて、保険料が返ってくる保険と言うのは「貯蓄型保険」と呼ばれていますが、そもそも貯蓄型保険には絶対に入ってはいけません。
貯蓄型保険は保険会社にとってのドル箱商品です。
裏を返せば、顧客である加入者にとっては損な商品です。
詳しくは以下に書いていますが、誤解を恐れずに言えば「貯蓄型保険は、クレジットカードのリボ払いと同じぐらい手を出してはいけない商品」だと思ってください。
保険会社に養分を提供し続けることになります。
突然ですが、この世の中には「情報弱者から過大な利益を取るビジネス」というのが横行しています。情報商材など、明らかにそれと分かるものもあれば、巧妙に隠されたものもあります。貯蓄型保険は、まさに「巧妙に隠された情弱向け商品」の典型です。[…]
2.まとまった資金を準備するのに向いていない
葬式代や遺された子どもの受験・入学料などのまとまったお金の準備はできない、というものです。
これについては、以下の反論があります。
- そもそも保険はまとまったお金を準備するためのものではない
- 葬式代や入学金などは、保険ではなく貯蓄で準備すべき
- どうしても一時金が必要であれば、収入保障保険の一部・全部の受け取り方を一括に変更できる
まとまった資金は貯金で対応する。これは鉄則です。
これを理解していないと、貯蓄型保険を売りたい保険会社のいいカモになってしまいます。
3.加入期間の後半に死亡した場合、受け取る保険金が少なくなる
「よくこんなセールストークを思いつくな」と感心すらしてしまいますが、これも的外れな主張です。
- 受け取る保険金は少なくなるが、遺族に必要な資金額も少なくなっているため、死亡保障としては充分
- 逆に「加入期間の後半に死亡しても多額の保険金が受け取れる」ということは、それだけ無駄な保険料が発生しているということ
4.受け取る保険金が課税対象となる
2010年の最高裁判例で、「年金支給額のうち、相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象とならない」との判決が出ました。
平たく言うと、収入保障保険特有の税務上のデメリットは現在は存在しません。
おすすめの収入保障保険は
さて、これまでは収入保障保険の一般的なメリットの説明をしてきました。
とはいえ、個別の商品によって、おすすめできるものもあれば、ぼったくりのようなものまで幅広くあります。
では、具体的におすすめの収入保障保険の商品は何でしょうか。
収入保障保険の中では、圧倒的にFWD収入保障保険がお得です。
詳しくは別の記事で書きますが、とにかく安く、保障内容が手厚い。
2020年6月現在において、FWD収入保障保険が一強です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
よく「保険はマイホームに次いで、人生で二番目に高い買い物」と言われます。
私はこれ自体が保険会社の作った刷り込みの言葉ではないか疑っているのですが、合理的・格安の収入保障保険に入れば、保険はまったく高い買い物ではありません。
非常に残念なことではありますが、世の中には我々が思っている以上に「よく分かっていない人から大金をせしめるビジネス」が横行しています。
とにかく正しい知識をインプットし、自衛手段を身につけるようにしましょう。
以下の記事では、収入保障保険でいくらの保険料を支払えばいいかの考え方について、詳しく述べています。
合わせてお読み頂けると幸いです。
生命保険に入ろうと思っているけれど、保険料をいくらに設定すればいいか分からない、という方も多いのではないでしょうか。また、ほけんの窓口などでおすすめされるがままに保険料を設定してしまったという人も少なくないと思います。 […]